サクセス兼任者も必見!カスタマーサポートに必要なスキル6選

  • カスタマーサポートの役割
  • カスタマーサポートとカスタマーサクセスの違い
  • カスタマーサポートに必要なスキル6選

はじめに

みなさん、こんにちは!

カスタマーサクセスとカスタマーサポート(カスタマーサービス、カスタマーリレーションという場合もあります)は本来異なる組織でありながらも、特にサクセス立ち上げ期には、サポートとサクセスをどちらも兼任しなければならないこともあります。こうした状況下では、非常にサクセス担当者も頭を悩ませることになります。

とはいえ、カスタマーサポートは、顧客との貴重なタッチポイントであるため、軽視することはできません。ここでは、サクセス担当者も知っておくと良い、カスタマーサポートに必要なスキルをまとめていきます。

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カスタマーサポートの役割ーサクセスとの違いー

こちらの記事でも書いた通り、「カスタマーサポート」と「カスタマーサクセス」との違いは、受動的か能動的かの違いと表現されることが多いです。

カスタマーサクセスの全体像はこちら!

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とはいうものの、カスタマーサポートチームが担う役割や最終目標は、カスタマーサクセスのそれとそこまで大きく変わりません。一般的に、カスタマーサポートの役割は以下の3つとされています。

  • 顧客満足度の向上
  • サービス改善を目的とする顧客の声の吸い上げ
  • 顧客のリピート利用を促し、収益向上の機会を作る

サポートに必要なスキル6選

上記のカスタマーサポートの役割を念頭に置きつつ、カスタマーサポートに必要なスキルをまとめました。こちらは近年SaaSで多く取り入れられている、チャットサポートを前提に記載しています。

①「形式的な」問いに答える姿勢

まず、サポートにおいて最も重要なのは、「聞かれたことに正面から答えることです。

特にCSMがサポートを兼務するときによくあるのが、「〜ということはできますか?」と顧客から聞かれた時に、機能上できないことについて顧客に納得してもらうため、できないことの背景などを長々と書いてしまうことです。

顧客は、第一に「できるのか、できないのか」を聞いているので、まずはこの問いにはっきりと答えましょう。そして、もし顧客が求めれば、そこで初めてできない理由を併せて記載しましょう。

②「真の」問いに答える姿勢

サポートでは、前述の通り、問いに答えることがまず重要ですが、とはいえ、問い合わせてきた顧客がその背後で何をしたかったのか(真の問い)を想像することが重要であることは強調しておきたいところです。

例えば、「〜という機能はありますか?」と問い合わせを受けた場合、もちろん最初はあるorないで回答しますが、それだけでは物足りなさがあります。というのも顧客の「真の問い」である「顧客のやりたいことが実現可能なのか」という問いには答えられていないからです。仮に対応する機能がない場合、そもそも顧客がやりたかったことを考えてみます(想像がつかなければ聞いて良いと思います)。

それがわかったら、既存の機能の組み合わせで顧客が望むことが実現できないか考えて提案してみましょう。これはむしろCSMは得意とするところではないかと思います。

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③プロダクトの知識

こちらはカスタマーサクセスと一定程度スキルを共有できるポイントと思われたかもしれません。

ただ、プロダクトの機能が増えてくるとカスタマーサクセスも全てを把握することは段々と困難になってくるため、明確に機能としては分化してくるのが自然です。実はカスタマーサクセスとスキルが大きく異なるものと捉えた方が良いかもしれません。

このため、企業によっては、カスタマーサポートは、組織発足時からサクセスではなく「サポート(仕様理解)のプロ」としてプロダクト側に属している場合もあるようです。

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④スピード感

一説によれば、一般的な顧客は、チャットサポートだと45秒までしか待てないと言われます。

この結果が自分達の顧客に妥当するかどうかはさておき、チャットサポートの返答までのスピードはやはり重要です。勿論重めなバグの場合には、実際の解決はそう簡単にはできないでしょう。

ただ、「頂いた状況は理解しました、今技術チームが解決に向かって動いています。」といったメッセージはすぐに送ることが可能です。これで少なくとも対応していることが伝わるため、一定程度顧客のストレスは解消されます。解決のスピードではなくスピード「感」が出せることが重要です。

⑤言葉に対する敏感力

各プロダクトには、そのプロダクト特有の言葉遣いが存在することがあります。例えば、このプロダクトでは「データ」と呼んでいるものを、顧客は「情報」や「ファイル」と呼ぶかも知れません。こういった言葉遣いにまだ慣れていない顧客に対しては、顧客が使っている言葉を尊重し、逆にサポート側が本来は使わないその言葉(上記の例であれば情報やファイルという言葉)を意図的に使うことが望ましいでしょう

もちろん今後継続的にプロダクトを使ってもらうにあたっては、そのプロダクト独特の言葉遣いに慣れてもらう必要があるのも事実です。他方で、何の断りもなしに言葉を言い換えて使ってしまうと、混乱を招く可能性もあります。顧客の言葉一つ一つに気を配れることも非常に大事なスキルです。

BtoBの場合、顧客への「共感力」は必要か?

ToCの場合、サポートには色々なクレームが届き、時には、「私もあなたに共感している、大変ですね」と共感を示さないといけない場合もあるかも知れません。

その一方でBtoBの場合、筆者の所感ですが、共感してほしいという方はそれほど多くなく、むしろ問題を一刻も早く解決してほしいという方が多いのではないでしょうか?そのため、本記事では必要なスキルとしては選外としています。とはいえ、もちろん「不要」という意味ではありません。仮にBtoBのSaaSでも「遅くまでお疲れ様です!」など一言入れることで非常にスムーズなコミュニケーションを取ることもできるでしょう。

⑥顧客に協力を促す、巻き込み力

サポートには色々な問い合わせが来ます。単なる使い方に関する質問もあれば、バグに関する問い合わせやプロダクトの活用方法などもあるでしょう。これらの問題の解決のためには、もちろん社内のメンバーを解決に向けて巻き込む力は必要ですが、ここは、スキルというよりも社内のルールを決めることで対処することが可能です。

その一方で、特にローンチ後まだ日が浅いプロダクトでは、データログの抽出に時間がかかるケースもあり、問い合わせを最速で解決するために、必要な情報を提供してもらうなど、顧客の協力を必要とすることもあります。顧客に遠慮しすぎた結果、必要な情報を得るのに時間がかかり、解決に遠回りになるのは本末転倒です。

ここはいわば、案件に対するマネジメントスキルとも言えるのかもしれませんが、問題解決に必要だと考えるようであれば、社内のメンバーは勿論ですが、自信を持って顧客の協力を仰ぐことを試みましょう。

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まとめ

筆者自身もカスタマーサポートに問い合わせたことも自分でサポートとして顧客をサポートしたこともあります。ただ、私の場合、サポートを受けて感動的だったなと感じる体験をしたことがなかったので、自分が顧客だったら何をしたら感動する体験を提供できるか、常に考えていました。

私個人の結論は、「回答のスピード」を突き詰めることでした。本当にすぐ目の前にサポート担当がいるかのようなスピード感で回答をすることで必ず顧客は、助かったと感じてくれると思います。これは、組織がスケール(拡大)した時に同様に続けていくのは難しいかもしれませんが、いかに少ない行程と時間で顧客を解決へ導くかという観点は、サポートとして必ず持っておきたいところですね。