顧客とCS双方の不安払拭に!オンボーディング初回ミーティングの必須アジェンダ5選

  • オンボーディングプロセスにおける初回キックオフミーティングの位置付け
  • 初回キックオフミーティングにおいて必須の「5つのアジェンダ」

はじめに

みなさん、こんにちは!

今回は、カスタマーサクセス(以下「CS」)において重要なオンボーディングプロセスの最初のステップ、初回のキックオフミーティング時に実施したいこと、アジェンダをまとめていきます。

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初回キックオフミーティングの意味と目的

メールやチャットなど、顧客とのテキストベースのコミュニケーション手段も多く存在する中であえて双方の貴重なリソースを割いて、ミーティングの形式で実施する以上、明確な目的意識を持って臨むべきです。

筆者としては、直接お話しすることで「不安を解消して前を向いてプロジェクトを進める」契機として位置付けるのが良いと考えています。言い換えると、主な目的は、以下の3つに集約されます。

①CSチームとの顔合わせ

顧客からすると、これまでコミュニケーションをとって一定の信頼関係を築いていたセールスチームから、CSチームへと主な窓口が変わります。この点に関して、顧客が不安を感じることもあるため、このタイミングで、いったいどんな人がサポートしてくれるのかを紹介し、今後の信頼関係構築の入り口の機会と位置付けることができます。

なお、この信頼関係の構築にあたっては、初回ミーティングの前の準備や引き継ぎも重要であることはいうまでもありません。

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②プロジェクトの全体像の共有

顧客の不安はこれだけではありません。ちゃんと導入して運用できるか、不安を感じていることがあります。プロジェクトマネジメントの手法を用いて、双方のスケジュールやタスクを整理し、何をやれば上手くプロジェクトが進むのか、青写真を示す機会となります。

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③顧客とCS間の認識のすり合わせ

前述したスケジュールも関係しますが、そもそも導入した背景・理由をCSが把握しておくことは、以後のサポートの質を担保するために非常に重要なことです。例えば、経営層からの要請で解決しなければならない課題がある場合、現場だけを便利にするような使い方を提案しても、最終的な顧客の課題解決に繋がらないこともありえます。せっかくの機会なので、ここでCSとしての不安要素も消していきましょう。

初回ミーティングに必須なアジェンダ5選

以下、初回のミーティングの具体的なアジェンダの例を記載していきます(なお、各アジェンダは、顧客に伝わりやすい順番で並べています)。

①双方の自己紹介

やるべきこと〉

  • 顧客の窓口の方の自己紹介(経歴や現在の業務など)
  • 提供者、ベンダー側の自己紹介

前述の通り、「顔合わせ」の意味合いがあるため、まずは専門的な知識を持った CSM がきちんとサポートしてくれそう、という安心感を提供することが第一です。こうした話をする中で、CS側は、顧客の窓口に立つ方が、どういったパーソナリティの方なのかを把握することに努めましょう。

②プロジェクトの全体像の整理

〈やるべきこと〉

  • 双方のプロジェクト推進体制の確認
  • プロジェクトにおける大まかなタスクの確認
  • プロジェクトのスケジュールの整理

ここでは、実際にサービスやプロダクトを導入するために、誰がどれくらいの時間を使うのか、共通認識を持つことで、顧客の導入に際しての不安感を払拭するのが目標になります。CSからは、一般的な推進体制や期間を伝えつつ、顧客が実際に遂行できるという実感を持ってもらった上で、ここにコミットしてもらうことが望ましいです。

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初回キックオフに、誰を呼ぶのが望ましいか?

一般的に、導入時が最も顧客もモチベーションが高いタイミングであるため、特に重要だと認識する顧客には、CSも管理職以上を同席させる代わりに、願わくばキーマン、決裁者クラスに同席してもらいたいところです。ここでキーマンと関係性が築けると、エクスパンションやアップセルへの道がスムーズに開ける可能性もあります。

③導入した背景と導入後期待していることの確認

〈やるべきこと〉

  • 導入の背景や顧客が認識している課題の確認
  • プロダクトの導入によって狙う短期と中長期の効果の確認

この点については、基本的にはセールスの商談時点で既出の内容となりますが、実際に導入時となるとより課題認識や狙う効果がシャープになる可能性が高いため、この時点で改めて認識を合わせると良いでしょう。

このアジェンダは、当座ではCS側の不安感を払拭するためのプロセスという位置付けになります。

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④想定しているプロダクトの使い方

〈やるべきこと〉

  • (既に顧客にイメージがあれば)導入後のプロダクトの具体的使い方の確認

この点は顧客の理解度に応じて粒度が変わりますが、前述の課題を解決する(狙う効果を出す)ために、推奨される使い方になりそうか、をCSの目線から確認します。特に柔軟性があり、顧客によって使い方に幅が出るプロダクトの場合には、このプロセスは思いの外、重要です。

顧客側としても、他のユーザーと比較したときに自分達が特異な使い方を仕様としていないかが気になることもあるため、その点の不安感の払拭にも有用なプロセスです。

プロダクトの初期設定はいつ実施してもらうのが良いか?

初期設定の複雑さによって異なりますが、事前にヘルプページなどやるべきリストを渡して対応してもらい、よくわからなかった箇所を中心に、この初回のミーティングの機会で確認する程度にできると良いでしょう。もちろん、そのためには、初期設定を補助するヘルプページの充実が必須となります。

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⑤双方のネクストアクションの整理

〈やるべきこと〉

  • ここまでの議論を踏まえて、いつまでに、誰が、何をやるかの明確化

基本的には、上記のトピックについてしっかりとコミュニケーションが取れていれば、認識の齟齬はほとんどなくなっていると思われます。最後に、よくあるプロジェクトの遅延理由も頭に入れつつ、プロジェクトの遂行が遅れる可能性がある理由を、予め確認しておくと良いでしょう。

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まとめ

最後までご覧頂き、ありがとうございます。

実際に自分も数多くオンボーディングに参加し、特にその最初のミーティングで何をどこまでやるべきなのか、試行錯誤を重ねてきました。現状では、せっかく関係者の時間をおさえて実施するミーティングですので、人が集まって行うべきトピックにフォーカスすべき、というのが筆者の結論です。

勿論、さまざまな考え方があるとは思いますが、可能な限り双方にとって実のある時間にできるように、アジェンダ設定含めた準備を怠らすに実施することを意識したいところですね!