「1割増し」でOK!顧客の期待値を超えるアクションの重要性

  • 仕事における期待値の重要性
  • カスタマーサクセスにおける顧客の期待値の捉え方
  • カスタマーサクセスにおける顧客の期待値を超えるアクションの具体例

はじめに -多くの仕事の評価は「期待値」で成り立っている-

みなさん、こんにちは!

突然ですが、実は仕事をしている中で、絶対的に良いことや悪いことというのはそれほど多くありません。
言い換えると、仕事で評価されるか否かは、事前に設定した予算を達成したか、目標に到達したかといった、相対的な基準に基づいて決まっていることがほとんどです。この相対的な基準は、まさにその組織や従業員への「期待値」ということになります。

つまり、期待値をきちんと設定・認識し、これを満たしたり、下回ることがなければ、社内や顧客からの評価が低くなることはなくなるわけです。

そこで、今回は、カスタマーサクセスに限らず、仕事の根幹をなす「期待値」に対する考え方についてまとめていきます!

期待値には二種類ある

早速ですが、期待値には、①明示された期待値と②暗黙の期待値の二種類があります。

①明示された期待値

これは契約やその他のコミュニケーションの中で、「いつまでに、誰が、どれくらい、何をやるか」が明確になっている場合を指します。このため、基本的には相手との間で期待値のズレは起こりにくいでしょう。

その反面で、明確に合意してしまうので、前述の通り、期待値を高く設定しすぎてしまってこれを達成できないことになってしまうと、評価が低くなったり、契約違反などの責任問題に発展してしまうこともあるので注意が必要です。

②暗黙の期待値

とはいえ、全てについて明確に期待値を設定することは、現実的には非常に難しいことです。そのため、相手との間で暗黙のうちに設定される期待値も存在します。

こうした暗黙のうちに設定されている期待値は、不明確で、かつ個々人の水準も少しずつ異なっていることもあるが故に、相手方との間で認識のズレが起こる可能性がある点に注意が必要です。「こんなはずじゃなかった」というものですね。

お客様とのコミュニケーションも、期待値の設定から

カスタマーサクセスをはじめ、顧客と実際にコミュニケーションをとる職種においては、その担当者が良いか悪いかの評価は、期待値に基づいて判断されることになります。

このため、少なくともこの顧客の期待値を下回らないような仕事をすることが必要になりますが、この期待値は多くの場合、暗黙に設定されているものが多いので、注意が必要です。

こうした顧客との間に暗黙のうちに設定されている期待値の水準の把握は、特に最初は難しいですが、①自分(やチームのメンバー)がユーザーだったらどういった期待値を持つか、という主観をベースとしつつ、②過去実際に顧客から求められた実績があることや③同業他社のサービスの水準を参考にして、目安を持てると良いでしょう。

その上で、期待値を超える仕事がしたい!

大きく超えようとしないことが大切

上記のプロセスで相手方の期待値をある程度掴むことができれば、今度はこれを超えるアクション、つまり評価を上げる仕事ができるようになります。

大きく分類すると、スピードとクオリティの面で期待値を超えるアクションを考えていくと良いですが、スピードは自分の忙しさによってかなりブレることがあるので、リソースが安定しないうちは注意が必要でしょう。

なお、「期待値を超える」と言っても、必ずしも大幅に超えていく必要はありません。というのも、あまりに大きく超えようとしてしまうと、工数が過度に必要になってしまったり、実施すること自体が億劫になってしまったりするためです。加えて、ベースとして設定された期待値自体が上方修正されてしまい、以後これを超えるアウトプットを出すことが非常に困難になる可能性もあります。

完全に主観的なイメージですが、期待値の超え幅としては、期待値の+10%、「1割増し」くらいが適切でしょう。

筆者が実際に期待値を超えるために実施している(していた)こと

自分が顧客の期待値を超えるように意識して実施したことがあることとして、以下のようなものがあります。
「なんだ、大したことないや」と思われるかもしれませんが、まさにこれが+10%くらいのアクションということです。継続していくことで、大きく差がつくものです

  • 顧客企業のビジネス上の進展(IPOや新規ビジネス、好決算など)の情報を、打ち合わせ前に必ず仕入れる
  • 顧客の決算期(に伴う忙しさ)に配慮したスケジューリングをする
  • 前回のコミュニケーションで話題となったポイント(論点、継続検討となったトピックなど)の進捗を気にかける
  • 毎回の打ち合わせで、当該顧客が知らないであろう役立つ情報を必ず1つ提供する
  • 当該顧客の半歩〜一歩先を見たガイド・コミュニケーションを行う
  • 顧客へのメールなどの連絡をなるべくその日のうちに返す
  • 複数の添付ファイルがある場合には、必ずナンバリングして、混乱の無いようにする etc

 

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まとめ

今回は、カスタマーサクセスを中心として「期待値」の考え方をご紹介しましたが、このベースの考え方は、冒頭に記載の通り、仕事全般に役立つ発想です。例えば、「ホスピタリティ」も期待値を正しく把握していることを前提に相手のことを考えて行動するマインドの一種ですね。

こうした心がけは、顧客に対してはもちろんのことですが、同じ会社内のメンバーに対しても、期待値を正しく把握した上で、行動が取れるようにしていきたいものですね!