まずは情報の記録から!CSの組織規模に応じたナレッジマネジメントの具体的方法

  • カスタマーサクセスにおける社内ナレッジの重要性
  • CS組織の規模に応じたナレッジマネジメント、シェアの方法論

はじめに

みなさんこんにちは!

この投稿は、CS HACK Advent Calendar 2022の記事です。昨日のTakeshu / Fanfareからバトンを受けまして、20日目の投稿となります!

note(ノート)

本記事は、CS HACK Advent Calendar 2022 の12/19の記事になります🙋 皆さん非常に勉強なる…

さて、今回は、組織の急拡大を経験した筆者が、チーム内でのナレッジ共有をどのような点を意識して実施していたのかをご紹介します。

なお前提として、「ナレッジ」が何を指すのかという点については野中郁次郎、紺野登著『知識経営のすすめ―ナレッジマネジメントとその時代』(ちくま新書)などに詳しいので詳細は割愛しますが、本稿でもナレッジとは、一次情報とは異なる、何らかの「行動の指針、問題への処し方、判断や意思決定の基準」に昇華させたものを前提としています。

CSにおける社内ナレッジの重要性

以前投稿した記事でも、CSには3つの重要な知識(≒ナレッジ)があると記載しました。

  • 自社プロダクト・サービスに関する知識
  • 顧客に関する知識
  • カスタマーサクセスに関する知識

もちろん、個々人でその知識やナレッジを増やし、深めていくことは非常に重要です。その一方で、目まぐるしく環境やプロダクト自体も変わる成長著しいスタートアップやベンチャー企業では、こうした変化に即したベストの提案を、同じCSなら誰しもが実施できる必要があります。そのために可視化されたナレッジは非常に重要です。

なお筆者の場合、メンバーのバックグラウンドやスキルセット(ドメイン知識の有無など)が異なることもあり、いい意味でこれを平準化するには、ナレッジという形での伝達が非常に有用でした。とはいえリソースを考えると、ナレッジばかりに目を向けるわけにもいかないので、いつ、どういったレベル感で筆者がナレッジシェアを強化してきたかを、以下記したいと思います。

関連記事

カスタマーサクセスにおいて必要な3つの知識とは? ぞれぞれの知識の学び方 それぞれの知識を組織内で浸透させるためのマネージャーの役割 みなさん、こんにちは! 今回は、カスタマーサクセス(以下「CS」)を始[…]

ナレッジシェアはいつ、どのようにやるべきか

① 一人CSの時は、まず重要な「情報」だけ書き残す

通常こういったHow Toでは、「組織が拡大する前に、ナレッジをきっちり溜め込んでおきましょう」というのがセオリーのアドバイスですが、現実的には、「一人CS」の段階で全てを整理した状態で残すのは非常に難しいです。

というのも、筆者も1年以上一人CSとして過ごした時期がありましたが、顧客が増えてくると本当にてんてこ舞いになることがあり、メモも十分に残せないような忙しさになることもあります。

関連記事

カスタマーサクセス立ち上げの際にやっておいた方が良いアクション3選 やっておいた方が良いことのメリットと注意点 はじめに みなさん、こんにちは! 約2年半前にカスタマーサクセスのキャリアを始めた自分は、最初は[…]

こういった現実を踏まえて筆者が意識していたのは、ひとまずどこかの共有可能な媒体に、(後回しにせず)その場で、最低限の「情報」を記載しておくことです。筆者の場合だと当時はSlackなどのコミュニケーションツールを、情報を書き残す場所として使っていました。

この時点で、自分の頭の中では情報が整理され、ある意味「ナレッジめいたもの」が形成されているものの、媒体に書き残されているものはあくまで「情報」で、ナレッジにはなっていません。個人的には、まずはこれだけ徹底できれば十分だと思っています。

② 複数人の組織になったら、少しずつ「ナレッジ」っぽく

2人目を採用すると、CSとしてのサービスの水準が下がらないように、その2人の間で共通認識しておくべきことが増えてきます。

このタイミングで、今まで自分の頭の中にしか持っていなかった「ナレッジめいたもの」を、外部媒体に残してきた情報と結びつけて、少しずつナレッジとして再編成し、決められた場所に残しながら、伝承していきましょう。例えば、「〇〇という特徴がある企業は、XXXとYYYの2つの機能を組み合わせて使うことを提案すると良い」といったイメージです。なお、筆者の場合は、会社が積極的に使おうしていたこともあり、Notionに一元管理することにしました。

筆者は、ナレッジ活用の最初の機会は、2人目のメンバーの「オンボーディング」だと考えています。入社してくるメンバーがスムーズに活躍するための流れができるように、2人目の入社をきっかけにして、上記の3つの知識の重要部分をナレッジとしてまとめ、当該メンバーにナレッジを伝承していきましょう。筆者はこの動き出しがギリギリとなってしまったので、「これ書くの忘れてた」と最初は口頭でメンバーに補う内容も多かった記憶ですが、2人目が入ってくるとわかった段階から準備ができれば、更に良いオンボーディングになったと思っています。

ちなみに、上記の3つの知識のうち、筆者として最も重要なのは、「顧客に関する知識」だと思っているため、顧客がどんな課題を抱えている傾向があるのか、や通常顧客はどういった業務フローなのか、といった内容を優先的にドキュメント化しました。もちろん企業が属するマーケットや入社するメンバーによっても異なるとは思いますが、BtoB SaaS では、(特にバックグラウンドがない方にとっては尚更)イメージが付きにくいことから、まずこの領域についてまとめておいて間違いはないでしょう。

③ メンバーが更に増えたら、同時多発的にナレッジシェアが起こる

2-3人程度の少人数組織の段階で、情報を一箇所にまとめて、ナレッジ化するという習慣を作っておくと、3人目以降が加入した際に、こうしたアクションがもはや当たり前になります

こうするとマネージャーとしては非常に楽で、実はそれほどやるべきことはありません。後から加入したメンバーは既に「当たり前」に追従してくれるので、元いたメンバーも立ち上げほど苦労なく、ナレッジをまとめ、シェアする取り組みを広めていくことが可能です。

この段階で筆者として重視していたのは、折角まとめたナレッジなので、少なくともチーム内に「ナレッジをまとめた」旨を告知してもらうことくらいでしょうか。これにメンバーがきちんとリアクション(例えばSlackのスタンプ)を返すことで、ナレッジシェア自体が「尊い行為」として印象付けることもできるようになります。

キチンとこの取り組みが伝承されると、各人がいわば同時多発的にナレッジをまとめて、シェアしてくれるようになるので、ナレッジシェアの速度と量において一段階ギアが上がります。私も組織が少しずつ大きくなる中で、上手く取り組みが定着したなと非常に強く実感したポイントでした。

ここまで行ってようやくいわゆる「ナレッジマネジメント」になってきたと言えるかもしれません。

 

ナレッジの内容の正確性はどうやって担保するのか?

メンバーの数が増えてくると、確かにナレッジの供給量は増える一方で、その内容の正確性が不安になることもあると思います。この点については、まずはビギナーが自ら得た情報や学習したことに基づいてまとめた上で、比較的経験値が高いエキスパートがチェックして社内向けにリリースするというルールを作っておくと良いでしょう。このエキスパートは常にマネージャーとは限らず、「その道の経験値が高い方」が適任でしょう。

こうしたオペレーションとする理由としては、まず(必ずしも教育体制が整っていない中でも)ビギナーの学習機会を確保することが大きいです。またエキスパートをチェッカーとして挟むことで、内容の正確性が担保できるだけでなく、重複したナレッジ(ページ)が量産されないように全体のバランスをはかることも可能になります。

まとめ

さて、ここまでナレッジシェアの筆者なりの経験談と方法論をまとめてきました。

筆者は今年からNotionでまとめたナレッジが、他のチームにも役に立つことから、(セールスチームなども含めた)毎週のビジネスチームの定例会で共有し、きちんとまとめた行為にスポットライトが当たるようにしています

現状ではメンバーもモチベーション高く遂行しているので、それほど危惧はしていないものの、近くこういったナレッジシェアについても、具体的な評価基準を設定をしなければならないのだと考えています。こういった取り組みに不用意にKPIを持ち込むべきではないとも思っているのですが、もし具体的なナレッジシェアに関する評価基準設定の方法論をお持ちの方がいらっしゃれば教えてください!

さて、明日は、辻 尚也|Unitoさんからの投稿になりますので、是非お楽しみに!

Adventar

カスタマーサポート/カスタマーサクセス に関するアドベントカレンダーです! 上記に関することならなんでもOKです。 ※登…