ミーティングだけでOK?!カスタマーオンボーディングのプロセス設計の基礎

  • オンボーディングプロセスの全体設計に必要なアクション
  • オンボーディングプロセスの固定施策の例

はじめに

みなさん、こんにちは!

今回は具体的に、カスタマーサクセスにとっての重要業務である、カスタマーオンボーディングのプロセス設計で重要なアクションをピックアップしてご紹介します!

CSMに必須なプロジェクトマネジメントスキル!

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カスタマーオンボーディングの全体設計

事前準備 -オンボーディング完了を定義する-

まずは「オンボーディングした」という状態を具体的に定義することから始める必要があります。

詳しくは下記の記事をご覧頂ければと思いますが、特にBtoBSaaS の場合には、自社のプロダクトの特性を考えて「当面チャーンはなさそう」な状態に近づけられるのが理想形です。

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オンボーディング完了の判定基準を作る

このSaaS Manager Labでは、「オンボーディング完了」をやや定性的に定義づけすることを前提としています。

特に最初の方は、いくつかのうまく行っている顧客の具体的ケースを積み上げて、こうなってくれていたらオンボーディングしたと言っていいよね、というフワリとした感覚が先行することが多いはずです、そしてたいていその感覚は正しいことが多いので、まずは顧客の状態を示す定性的な言葉をおくことをおすすめしています。

一方で、オンボーディング判定に恣意性が入るのは望ましくないため、定義に当てはまるかの判断基準は、定量的な指標をいくつか組み合わせて判定するように設計するべきです。

オンボーディング判定基準の作り方はこちら!

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オンボーディングを達成するための個別施策を当てはめる

失敗するとチャーンの発生確率が上がることがその先に見えている以上、カスタマーサクセスとしては、オンボーディングが完了する確率、つまり上記の判定基準を満たす確率をなるべく高めていくために有効な個別の施策を顧客それぞれに当てていくことになります。

無論、どんな顧客が入ってきても漏れなくオンボーディングしてほしいので、再現性を高めるという観点から、いくつかの個別施策をパッケージ化して、カスタマーオンボーディングのプロセスに一定の「型」を作ることが目標となります。

全体の設計から考えるか?個別の施策から考えるか?

世界で唯一の皆様のプロダクトのオンボーディングプロセスの正解は、どこにも書かれておらず、自分達で探していくしかありません。

本記事では、ロジカルに構成する観点から、オンボーディングの定義判定基準作成相応しい個別施策の策定の順で記載していますが、実際には、まずは複数の顧客に対して個別の施策を当てながら、オンボーディングしている状態はどういったものなのか、そしてオンボーディングするまでに必要な期間はどれくらいなのかといった要素の仮説を抽出し検証していくことになると思われます。

初期はとにかく目の前の顧客のオンボーディングにこだわる

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あくまで筆者の体感になりますが、50社前後の顧客が契約して実際にオンボーディングプロセスの個別施策を体験してデータを集めた上で、オンボーディングの定義や判断基準の策定などに戻ってくると、実際の顧客の活動と乖離のない設計が可能になると思われます。

オンボーディングの個別施策

キックオフ(1st)ミーティング

契約後、どの企業も実施しているのが、この初回のキックオフミーティングになります。 CSM にとっては通常、受注後最初の顧客とのコミュニケーションの機会なので、関係構築がきちんと行えるアジェンダを用意しましょう。

実際のアジェンダについては、プロダクト活用の立ち上げにどれだけの工数が必要となるかによって若干内容が変わりますが、以下の記事を参考にしてみてください。

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なお、この際、受注前に既に営業とはどういった内容が話されていたのか、必ず確認をする機会を取りましょう。ここでうまく引き継ぎができていないだけで、関係構築にあたって、最初からマイナスのイメージを与えてしまうおそれもあります。

引き継ぎのポイントはこちら!

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プロダクトの使い方説明会

プロダクトの詳細な使い方を説明する機会になります。
受注前にトライアルでプロダクトに触れる機会があったり、既に一定の活用が進んでいるなどの事情があれば、敢えて開催する必要はないでしょう。他方で、顧客となる企業の中でプロダクトの利用頻度にばらつきが生じることが想定されるプロダクトの場合には、相対的に重要性が上がり、きちんと時間をとって開催することが必要になります。

また仮に機会を設けて開催する場合には、一般的な使い方だけでなく、その顧客(企業)において、どう使うのが良いかというカスタマイズした説明会ができると、説明会の付加価値はより上がるでしょう。

データ計測

オンボーディング判定にも大きく関わりますが、オンボーディング中は特に顧客のプロダクト活用状況を注視しておくと良いでしょう。

プロダクトを触らない事前準備が大部分を占めるならばともかく、プロダクト内で設定したり準備をすること、試しに活用していくことが少なからずあるのに、プロダクトへのログインがなかったり、アクションが少ないという場合には、どこかで突っ掛かっている可能性があります。

顧客側が忙しいと、なかなか顧客から相談してくれないといったこともあるので、カスタマーサクセスらしくプロアクティブに動けるように、プロダクト利用のデータを把握できる状態にし、実際に週一回など定点観測しておく必要があります。

オンデマンドミーティング

こちらのミーティングは、補充的なミーティングです。
例えば、顧客側でのプロダクトの本格活用の準備の進捗が芳しくない場合にカンフル剤を打つ趣旨で実施したり、オンボーディングまでの期間が相対的に長い(筆者の感覚だと三ヶ月以上にわたる)場合に、顧客のモメンタムを一定以上に維持しておくために実施するイメージです。

顧客によっては、チャットサポートでは少し質問しづらい内容や込み入った内容の場合にも有用です。現在は都度往訪せずともオンラインでのコミュニケーションが大企業でも一般化しているため、こういった質問をまとめて聞く機会としてのミーティングも、双方にとってハードルがなくなったと言えるでしょう。

なお、直近の調査では「SaaS導入時に苦労した」という感想を持った方も一定数存在しているので、改めてその他にも補充的な対応策を用意しておくと良いかもしれません。

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オンボーディング完了(2nd)ミーティング

仮に順調にオンボーディングプロセスが進行した顧客においても、一通りオンボーディングのプロセスが完了したタイミングで一度顧客とコミュニケーションをとる機会を設けると良いです。

初回のミーティングで定義して擦り合わせたサクセスの短期的な進捗を確認し、一定の成果が出始めていることを確認することが主な目的となります。もちろんそこで進捗が芳しくないようであれば、フォローアップすることになります。

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このミーティングでは、オンボーディングの判定基準は通常定量的な観点から判定することが多い反面で、定性的な実際の顧客の感触や手応えを直接聞くことのできる貴重な機会となります。

なお、こういったミーティングのタイミングで、プロダクトに関する機能改善要望などもヒアリングができると、更に顧客のサクセスをプロダクト側からも後押しできるサイクルができるので、オススメです。

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まとめ

失敗すると、チャーン予備軍を作り出す可能性があるという意味で、オンボーディングのプロセスは作り込んできちんと可視化できることが重要です。特にカスタマーサクセスの立ち上げ時期には、顧客に関するインサイトが少ないこともあり、いきなりフローを固めきることは非常に難しいので、悩むよりもある程度割り切って決めた上で運用してみて、継続してアップデートしていくのが良いでしょう。

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