- カスタマーオンボーディングの定義
- オンボーディングプロセスの目的
- オンボーディングプロセスを構築するにあたって重要なこと
はじめに
みなさん、こんにちは!
今回は、カスタマーライフサイクル、そしてカスタマーサクセスの一連の業務の中で非常に重要な位置づけとなる「オンボーディング」とは何か、そしてその目的についてまとめていきます!
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オンボーディングとは
BtoBのSaaSにおいて、オンボーディングとは、顧客が体験するカスタマーライフサイクルの一番最初のフェーズで、当該プロダクトやサービスを活用することについて、顧客を軌道に乗せるプロセスです。
この「オンボーディング」という言葉自体は、近年従業員が新たに入社される時にも使われることから、CSでは、カスタマーオンボーディング(Customer Onboarding)と表現することもあります。
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オンボーディングプロセスの考え方
オンボーディングプロセスの目的
顧客視点で見た時には、契約したプロダクトやサービスを使って、実際に顧客が志向するサクセスを達成するための、いわば準備期間がこのオンボーディングプロセスです。その意味では、
- 顧客自身が志向するサクセスを達成するための、プロダクト・サービスの使い方を知って実践する
- その上で、このプロダクト・サービスを使えばサクセスを達成できるという見通しをもつ
といったことが目的になるでしょう。
一方で、CSMの立場からすれば、売り切りモデルではなく、中長期にわたる契約関係に基づいて利益を上げていくリテンションモデルにおいて、最も怖いのは「なんだか使えるのかよくわからないや」となって発生してしまうチャーンです。その可能性を可能な限り下げるために、このオンボーディングは重要ですし、現実にこのプロセスを非常に重視しているCSチームは多いでしょう。
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私個人としては、CSチームを率いる身としてCS機能を作っていく際に、まず初めに整備した方が良いのはこの「オンボーディングプロセス」だと考えています。
言い換えると、ここを越えることで、顧客はプロダクトやサービスに契約時と同等またはそれ以上の期待を実感している状態を作ることができるので、少なくとも短期でのチャーンのリスクはかなり減ります。つまりCSにとっては次のような要素が、オンボーディングの目的になります。
- 顧客が志向するサクセスが何か、を改めて認識し、
- その上で、このプロダクト・サービスをそのサクセスに向けて使い続ける価値があると実感してもらうこと
「オンボーディング完了」を定義する
上記の目的を踏まえ、CSMとしては、ユーザーのオンボーディングを「完了」させる必要があります。では、何をもってオンボーディングの「完了」とするか定義するのが良いのでしょうか?
前述の通り、オンボーディングにはプロダクトでできることを知ってもらうという要素も含まれているため、例えば、顧客のアクションベースで、プロダクトの機能を一通りさらえたらオンボーディングは完了したと定義することもできるかもしれません。
ただ、やはりCS視点から見た時には、オンボーディングが完了することで、「当面チャーンはなさそう」な状態にまで持っていきたいところです。
これを達成するには、①どういう状態の企業がチャーンしている(しそうな)のか、②逆にどういった状態の企業が上手く自社プロダクト・サービスを活用している(しそうな)のかについての仮説を持っておくことが必要になります。その上で「①に当てはまる企業の状況よりは良く、②にはまだ届かない」状態をオンボーディングの完了と置くのが良いのではないでしょうか。
この場合、オンボーディングの完了の定義は、「顧客の状態」を指すことになるので、
といったイメージで、やや定性的なものになるでしょう。
勿論、オンボーディングの判定は、客観的に実施されるのが望ましいです。このため、オンボーディングの定義に合致するかの判断基準には、定量的な指標を設けて、判定の客観性を担保するべきです。この判定基準の作り方については、次の記事にまとめています。
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小さな成功体験をなるべく早く生み出す
では、オンボーディングをきちんと完了するにはどういった要素が必要になるでしょうか?ここでは、非常に重要な要素を一つだけご紹介します。
それは、顧客が「このプロダクト・サービスを使えばサクセスを達成できるという見通しを持」った状態になるために、なるべく早く「使ってよかった」と思ってもらうこと、つまり小さな成功を顧客に届けるということです。この価値を届けるまでの時間をTime To Value(TTV)と表現することもあります。
CSとしては、TTVを少しでも短くするために、例えばそのプロダクトのコアに当たる機能を使う機会を(多少強引にでも)作ってもらうみるなど、顧客が成功を感じられるイベントを意識的に仕込むことが有効です。
例えば日程調整ツールであれば、実際にCSMとの打ち合わせの日程調整をこのツールを使って実施してみてスケジュール調整が非常に楽になったことを実感してもらう、といったことが考えられます。また電子契約サービスであれば、実際に一通目を送ってもらい、紙の契約よりも断然楽であり、印紙も貼らずに済んだということを体感してもらう、といったことも考えられるでしょう。
そしてこうした小さな成功体験を生み出すオンボーディングプロセスの設計については、以下の記事にまとめていますので是非ご覧ください。
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まとめ
今回は、オンボーディングプロセスの基本的な考え方についてまとめてきました。
実際に筆者も、このプロセスについては、顧客の実際の状況やその後の利用状況を見て、自分たちの会社(プロダクト)にとっての「オンボーディング完了」とは何を指しているのか悩みながら考えてきた経験があり、よく検討すべきプロセスと認識しています。
今回の記事を読んで、皆様にもその重要性と考えるポイントが伝わっていたら嬉しいです!