スタートアップだからこそ重要!課題ベースの思考法

  • 課題ベースのアプローチの意味
  • 課題ベースのアプローチを取るべき理由
  • 課題ベースのアプローチに対するチームマネージャーの向き合い方

はじめに

みなさん、こんにちは!
今回は、ベンチャーやスタートアップで施策を実行する際に必要な「課題ベース」でのアプローチについて、チームのマネージャーの向き合い方とともにご紹介していきます。

課題ベースのアプローチとは?

言葉の通り、実行すべき個別施策を決定する際に、既に存在する課題を解決する手段たりうるものから選択するというアプローチ方法です。

一つの課題に対して、複数の原因が存在することがあるため、課題を特定したら、まずはこれをブレイクダウンして、原因として考えられるものを特定して、その個別の原因に対する有効な施策を打ちます。

例えば、「チャーンレートが高い」という課題に対して、その原因として想定されそうな「プロダクトの不具合が多い」「オンボーディングが十分行えていない」「顧客の課題へのソリューションとしてプロダクトが適合していない」といった原因が考えられますが、直接的な原因となりそうな「オンボーディングが十分行えていない」に対して施策を検討する、というイメージです。

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その一方で、具体的課題は存在していないものの、個々のメンバーの「あれがやりたい」といった、いわば「想いベース」で施策を打ってみるという逆のアプローチもあります。意欲が高いメンバーが集まるベンチャーやスタートアップでは、自分はこれがやりたいんだという意思が強い方も多いため、こうしたアプローチを取りたがる方も多いかもしれません。

なぜ課題ベースのアプローチをとるべきなのか

筆者は、ことベンチャーやスタートアップにおいては、課題ベースのアプローチを最優先してとるべきだと考えています。
以下にその理由をまとめます。

希少なリソースの分散を回避できる

スタートアップには、圧倒的に不足するリソースの問題が常に付きまといます。

このような状況で、チームや各メンバーの「やりたい」という想いベースで施策を打ってしまうと、せっかくのリソースが分散してしまい、十分な成果を上げることができない可能性があります。このため、目の前で顕在化している課題に対してリソースを集中投下することが重要になるわけです。

この考え方は、2022年前半のスタートアップの調達環境の変化により、より少ないリソースで効率的に成果を上げることが求められるようになった状況下では、更にその重要性が高まったといえます。

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最も効率的に改善効果を出せる

既に課題が顕在化しているのであれば、これを解決すれば、今よりも状況が「良くなる」ことは明らかです。
リソースが不足しがちなベンチャーやスタートアップにおいては、仕組みや制度が整っていなかったり、不足しているのは当たり前で、それをどういった順番で充足させていくかが重要になります。
その意味で、既に顕在化した課題から優先して解きに行くのが最も効率的な経営や業務の改善の方法と言えます。

他社事例の活用方法は?
ここ10年で、各種クラウドサービスのベンダーや個人の情報提供が盛んになり、CSやセールスなど各職種におけるさまざまな事例やノウハウが沢山公開されてきました。
これは素晴らしいことで、かつ非常に有用で、自分も勉強になることが多いです。実際にそういった情報に触れることで積極的な人ほど、自分や自分の会社にもこれを適用してみたいと思うでしょう。

しかし、ここで一度立ち止まってみましょう。改めて自分の組織において、そもそもこれを適用する前提の課題は存在しているのかを考えてみてください。事例にある取り組みの前提となっている他社の課題が自社の課題と同一とは限らないので、必ずしも今やらないくても良い施策に手を出してしまうこともあるので注意が必要です。

課題ベースの取り組みにおけるマネージャーの向き合い方

メンバーとの課題認識のズレに注意

ここまで、「課題は全員に同じように見えて特定できる」ことを前提として書いてきましたが、実際には、そう簡単ではないことがあります。
その一例が、マネージャーとメンバーの間での課題認識のズレがある場合です。

自分も以下のような経験があります。

普段活用しているCRMアプリケーションに適用されているオートメーション(自動化)の仕組みに小さな不具合が生じており、マネージャーとしては、その不具合によって発生する数字のズレや小さな手間がクリティカルで、すぐに改善したいところなのですが、その重要性がメンバーに上手く伝わらないということがありました。

こういったことは各所に生じ得ることです。
マネージャーとメンバーのどちらが正しいかということではなく、見ているポイントが異なることに起因して生じると考えられます。このため、日常的に1on1などを通じて各人の問題意識を把握しつつ、その都度、背景にあるそれぞれの考え方や視点を共有することで、双方の認識のズレの発生可能性を減らしておくことが有効だと思われます。

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成長などに伴う少し将来の潜在的課題を解決しにいくのはマネージャーの役割

ここまで、顕在化した課題に対するアプローチの重要性を紹介してきました。

他方で、スタートアップやベンチャーは、予測可能なこと、不可能なことを含めて数ヶ月、半年単位で状況が大きく変わることがあります。ここに備えることは、本記事の内容とはやや矛盾すると思う方もいらっしゃるかもしれませんが、まだ潜在的な課題を解決する形になり、例外的に先んじて対処することで大きな価値を生む領域です。

特に企業の成長に応じて生じる課題は、ある程度予測が可能ですし、実際にその経験談も各所で公開されているので、組織や経営状況を掴みやすいマネージャーが率先して頭を使って、予め手を打つことをオススメします。

個人的な体験では、組織の拡大はある程度予測(コントロール)ができ、またそれに応じてやるべきことが決まっているので、特に課題が顕在化する前に対処することが望ましいと思います。例えば、メンバーが増えた時に備えて、社内およびチーム内に向けたナレッジ整理をしておくといったイメージです。

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まとめ

冒頭にも少し書きましたが、ベンチャーやスタートアップだとかなり意欲あるメンバーが集まりますし、「これをやりたい」というビジョンが明確な方も非常に良いのではないかと思います。
それが会社のその時点での課題と上手くフィットすると非常に大きな力を生むので問題ないのですが、必ずしもそうではないことも多いでしょう。その時に交通整理する、つまり、今チームとして向き合うべき課題の共通認識を持つことは、マネージャーといて重要なアクションだと思います。
チームとして最高の成果を出せるように、自分も引き続き大事にしていきたい考え方です。