LTV向上に効果抜群!カスタマーマーケティングとは?

  • カスタマーマーケティングの意味
  • カスタマーマーケティングの3つの目的と具体的施策

はじめに

みなさん、こんにちは!

今回は、カスタマーサクセス(以下「CS」)の次に来ると以前から言われ続けている「カスタマーマーケティング」についてまとめていきます。

カスタマーマーケティングの概要と意味

まず、カスタマーマーケティングとは、「契約しているいわゆる既存顧客に対して実施するマーケティング活動全般」を指しています。

既存顧客に対するアクションの一種ということで、カスタマーサクセスのチームの中にカスタマーマーケティングの機能を持たせることも多いです。

現状においてカスタマーマーケティングが重要視されている理由は、このブログでも度々ご紹介している通り、「1:5の法則」に代表されるように、同じ金額を新たに獲得しようとした場合、新規顧客よりも既存顧客にかかるコストの方が圧倒的に小さくて済むため、効率のよい成長に欠かせない要素と考えられているためです。

カスタマーサクセスとの関係性は?

本ブログでは、カスタマーサクセスは「顧客の成功とこれに繋がる全ての活動を全て含んだ概念的なもの、文化に近いものと定義しています。この顧客を見込み顧客も含めて広く考えるか否かを問わず、既存顧客のみを対象とするカスタマーマーケティングは、カスタマーサクセスの中に含まれる機能・取り組みと整理することができるでしょう。

ただ、求められるスキルはいわゆる CSM のそれとは異なりますので、兼務して取り組むというよりも後述する個別の施策は、別途担当者を置いて実施していくことが(明確に組織内で業務として定義した段階以降では)望ましいでしょう。

カスタマーマーケティングの目的と具体的施策

カスタマーマーケティングの大きな目的は、「既存顧客のカスタマージャーニーを前進させ、 LTV を向上すること」にあると考えられます。

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その意味では、トレーニングをはじめとするオンボーディングの活動、契約更新時におけるアプローチも全てがカスタマーマーケティングに含まれ得ることになりますが、昨今、強く収益増への貢献を求められているCSにおいては、特に以下の3つの目的が強調されるでしょう。

①アップセル・クロスセルの増加

オプション機能や別プロダクトをマーケティング活動を通じてPRしていくことで、アップセルやクロスセルに繋げ、事業の収益向上に直接的に貢献します。カスタマーマーケティングの取り組みの中ではKPI設計もしやすく、成果がはっきりとわかります

近年では既存顧客をアップセルの見込みによって分類する「CSQL」というフレームワークがあり、カスタマーマーケティングとの関連でも非常に重要になってきています。

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こちらの目的を達成しようとした場合には、アップセルやクロスセルを狙う機能や商材を、ウェビナーやWeb記事などのコンテンツを通して、(個別に実施するというよりも)比較的広くPRしていくことが基本的な方法になるでしょう。

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②ロイヤリティ向上

若干抽象的ですが、マーケティング活動を通じて、顧客体験を向上し、結果として「このプロダクトを継続して使っていきたい」「このプロダクトや周辺のサービスが好きだ」と思ってもらう、つまり顧客のロイヤリティが向上することを狙うこともあります。

この目的を達成する手段の中心は、もちろんユーザーが日常的に触れるプロダクトに他なりませんが、CSチームが主体的に活動できる手段で有効なのが、ユーザー会などを中心とするイベントです。

イベントに参加することで、他のユーザーがこのプロダクトをどう利用して効果を出している(サクセスしている)のかを、公開情報以上の粒度で知ることができたり、相談相手ができたりするという参加していることへのプレミアム感を演出できることが望ましいです。継続してプロダクトを活用することで得られる副次的なメリットとして、こういった良質なメンバーと緩やかに繋がる道が拓かれているのは、オフラインイベントが本格的に再開される今後の業界においても重要度が増すのではないかと思われます。

「コミュニティ」はどう位置づけられるか?

こうしたイベントを常設化したり、よりタッチポイントの頻度を増やす方向で進化させた先に「コミュニティ」の開設・運営があります。

通常のイベントであれば、その主催はあくまで SaaS ベンダーですが、その運営の主導権が徐々にユーザー側に移行していくことがコミュニティの大きなポイントになります。

後述する通り、この主導権の移行に当たっては、特に熱量が高い(アドボケイト、advocate)状態のユーザーを発見し、協力を仰ぐことが必要になります。つまりコミュニティ運営は、ユーザーのロイヤル化と表裏一体で進めていくことが重要になるのです。

③新規リード創出

これは、既存顧客からの紹介により、新たなリードを創出することを指しています。
下記の記事でもご紹介した「プロモーター獲得成長率」のように、既存顧客が新たな顧客を連れてくるというサイクルを実現する目的で、マーケティング活動を実行するということになります。

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ちなみに、ことBtoBの場合、全体の84%は紹介からカスタマージャーニーが始まる、という話もあるように、顧客からの紹介は非常に重要です。

このリード創出については、前述したアドボケイトの状態のユーザーを創出し、そのユーザーに対して、SNSなどを通して知り合いなどに紹介を促すことが必要になります。その意味で、特に初期は取り組みの対象は非常に局地的で、数社−10社程度の非常に少数の顧客から始めることになります。

この紹介においては、ユーザー側にも一定のインセンティブとなると思われる方も多いかもしれませんが、業界やプロダクトの性質上の差異はありつつも、熱量が高いユーザーは必ずしもそういった見返りを求めていないことも多いという印象を筆者は持っています(もちろん相応の感謝の気持ちやプレミアムをご提供することは重要だと考えていますが)。

裏返すと、仮に見返りがあっても自発的に紹介したいと思えないプロダクトは、中々紹介には繋がりません。結局は、こういった協力的なロイヤルユーザーを増やさないことには、継続的に「お客様がお客様を呼ぶ」状態を作ることには繋がらないということになります。

まとめ

筆者として個人的に強化していきたいと考えているカスタマーマーケティングについてまとめてみました。
既に数年前からその重要性は説かれているところで、中でもコミュニティマーケティングのプレゼンスがこの1-2年非常に上昇してきている印象です。筆者もこういったものに取り組みたいとは思っている一方で、改めてメールやミーティングなどの位置付けについても整理していきたいと再認識しました!