- 一般的な導入事例の役割
- カスタマーサクセスが導入事例に関わることのメリット
- カスタマーサクセスが導入事例に関わる際の注意点
はじめに
みなさん、こんにちは!
カスタマーサクセスは、普段から他のチームとも連携し、顧客のサクセスを上手く社内外に伝えていく必要があり、それはまたCSの責務だとも思われます。
その代表例が顧客の導入事例で、ここには一定程度CSが関与していくのが望ましいと考えています。そこで、今回はCSが導入事例にどのように関わっていくべきかをまとめていきます。
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導入事例の役割
一般に導入事例とは、実際にプロダクトを活用している顧客の「生の声」を伝え、新たな顧客を呼び込むために使う、いわば広告、マーケティングツールです。
このため、どうやってそのプロダクトを知り、そしてこれを他のプロダクトと比較検討の末、(背景にどんな課題があって)なぜ選んだのか、その後実際にどういった効果が出たのかといった、いわゆるカスタマージャーニーに紐づいた情報を網羅できている事例が良いものと評価されます。
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CSが関わることで映えるサクセス事例に
前述の通り、導入事例はマーケティングツールなので、マーケティングチームが推進していくことが望ましいです。もっとも、私は事例の作成においては、カスタマーサクセスチームや各CSMの関わり方こそが重要だと考えています。
重要なのは「課題解決」
もちろん導入企業数が少ない場合には、印象に残りやすいネームバリューを持つ企業を選ぶこと、つまり「実績」が重要です。
その一方で、ユーザー側もシステム選定に慣れてきており、有名企業も使っているということが安心要素や稟議を回付する際のひと押しとして作用するものの、最終的には自分達の課題を解決するプロダクトなのかがしっかりと判断されます。
その意味では、特にBtoBの SaaS の場合、導入事例が真価を発揮するのは、事例を見る企業の担当者が、「自分と類似した環境下で業務を行っているあの企業、ひいてはそこに所属する彼女・彼はこうやって課題を解決したのか」と知り、「じゃあ自分の企業に当てはめると同じようにできるだろうか」と考える時です。
つまり、事例の中でどういった課題を解決し、どういった効果が出たのかをきちんと伝えることが最も重要になります。
CSは可能なら取材に同行したい
事例で取り上げる顧客のことを、自社で最も知っているのは担当のCSMです。
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このため、課題解決や達成した効果(サクセス)についてフォーカスした事例を作ろうと思うなら、 CSM も取材に同行するべきです。その顧客のベストプラクティスから、他の顧客にも転用できそうなポイントや業界や業種ゆえのユニークな使い方を引き出し、掘り下げることができるからです。
ここは、多くの担当を抱えるCSMだからこそ持つ知見が存分に発揮されるポイントになります。こういった視点を織り込めると、その導入事例は、見込み客だけでなく、既存の顧客にも有益な情報を記載したコンテンツになるでしょう。
ちなみに自分は少なくとも担当の顧客の事例の取材には必ず同行するようにしていますし、記事のドラフトにも必ずチェックを入れさせてもらっています。改めてインタビュー形式で伺うと、初耳なこともあり、CSとしても非常に有意義な時間になることが多いはずです。
CSが導入事例作成に関わる際の注意点
上記でCSが導入事例の作成に関わることの重要性についてご説明しました。ただし、もちろん参加するだけでは意味も半減してしまうので、その際に事前に頭に入れておいた方が良い3つのポイントを以下に記載します。
① 会社が誰にインタビューすることを望んでいるのか知る
課題解決や効果について掘り下げていく場合には、まず一定程度プロダクトを活用し、アダプションフェーズに至っているような顧客が望ましいでしょう。その中で企業のターゲット、つまり事業計画上重要とされている顧客層に適合した顧客をインタビュー相手として選ぶことになります。ここもオンボーディングの状況を掴んでいるCSが有益な情報提供できる部分になりますが、その一方で導入事例の施策を主導するマーケティングチームなどとの密な意思疎通が非常に重要になります。
② 現場でのエピソードの「掘り下げ」がCSの見せ所
もちろん事前に聞くべきことはリストアップして用意し、インタビュー相手にも共有することが多いでしょう。他方で、現場では話が盛り上がるうちに、当初は想定していなかった良いインサイトやサクセスを実感させるようなエピソードを聞けたりすることがあります。そういった顧客の輝く生の声に気づき、そしてその背景や相手方が感じたことを最も上手く掘り下げることができるのも、日頃顧客の悩みやサクセスに触れているCSならではのことだと思います。
③ 事例をジャーニーのどのフェーズの方に読んでもらいたいかを知る
冒頭でもカスタマージャーニーについて触れましたが、そもそも主導するマーケティングチームが、導入事例をカスタマージャーニーのどのフェーズにいる方に読んでもらいたいと考えているかは、必ず認識しておくようにしましょう。というのもこれによって記事で文字数を割くべき部分、つまり掘り下げるべき部分が変わってくるからです。
ここはカスタマージャーニーが社内で言語化されていないと曖昧な定義になりがちで、その結果として一見良さそうであるものの、誰向けかわからない事例を大量生産してしまうため、注意が必要です。
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とはいえ、多くの場合には、「プロダクトを一定程度認知しているという状態」にある方に向けて作成することになるため、想定される競合製品には出せないであろう、自社プロダクトならではのメリットが語られるように、顧客の生の声を掘り下げることになっていくと思われます。
まとめ
CSにとって導入事例は、顧客のオンボーディングプロセスを振り返りつつ、生の声を聞ける非常に重要な機会となります。
特に昨今はリモートでオンボーディングプロセスを進めることが多い中、事例の取材は、数少ないオフラインで顧客にお会いすることができる機会でもあります。
個人的には、事例の取材のためにオフラインでお話しした顧客は、関係性が一段階深まる印象がありますので、CSとしてもマーケティングチームに任せきりにならず、貴重な機会として捉えられると良いと思います!